Out of China means Malaysia?

生産移管急増の陰で

5時45分に予約しておいたタクシーで自宅をでた。この時期の香港の朝はけっこう冷える。熱帯地方に位置づけらている地域でありながら平気で10度前後まで下がる。目的にの気候を考慮するとなにを着ていくかにいつも苦慮する。いかんせん相手は高湿度の熱帯雨林気候のマレーシアだ。この時期も平気で日中は30℃を越える。出国カスタムで買ったばかりの馬油ハンドクリームを没収されるという不遇にもめげずに香港国際空港8時45分発 MH0079で無事にKLIAについた。いつものようにビジターが長い列をつくる脇のAPAC特別レーンにならんだ。すぐに審査官に呼ばれてカウンタに行くとパスポートを眺めながら 「arrival registration?」 と聞かれた。「してないよ」と今まで事前登録せずに入国できていたのでそう答えると「登録して!」後ろにあるパソコンブースを指さした。そして少し笑顔を浮かべて「登録してから来てね」 「えぇ~ッ」仕方なく列を外れてパソコンで登録する羽目になってしまった。大好きなマレーシアが少し嫌いになりそうだ。

最近のマレーシアは米中間の緊張の高まりで「Out of China 戦略」の最有力地として注目度が爆上がり中だ。もともとマレーシアには日系のみならず欧米系のエレクトロニクス企業が多く進出してきた経緯がある。そのお蔭で電子部品のみならず機工部品(板金もの)や樹脂系のサプライチェーンがしっかり確立されている。中国製よりは若干高いがトランプ関税を考慮すると進出してくるモノづくり企業は増える一方だ。確かに東南アジア地域にはタイ、ベトナム、フィリピン、スリランカ、など Out of Chinaの候補になる国は多くある。但しサプライチェーンの安定性という視点から見るとタイを除くとエレクトロニクスに適した国はマレーシア以外には難しいというのが実情だ。マレーシア政府もこの時とばかりに企業誘致に積極的だ。

そんなイケイケどんどんのマレーシアにおいて最近になって密かに懸念されているのが 「ワーカーの確保問題」 だ。以前、香港資本のEMS企業のMDに聞いたこと事がある。なぜマレーシア人はのんびりしているのか?その答えは 「マレーシアでは自生するバナナを食べてれば死なないから中国人みたいにあくせくと働く必要がないからね」とのことだった。中国では10人にお弁当を配るといっても用意されているのは7~8人分だ。だから我先にと横入りして戦わないと食事にありつけない。マレーシアは並ばなくてもバナナはどこにでもあるからねとの事だった。至極納得したことを覚えている。事実、工場で従業員を募集するとすぎに期待値以上の応募がくる。希望人員はすぐに集まるが続かない。他にいい待遇の募集を見つけるとすぐに辞めて他へ行ってしまう。ペナン、クアラルンプール、サランゴン、などはこの傾向が顕著だ。問題なのは他の地域から出稼ぎに来ているケースだ。ミャンマー、パキスタン、バングラデッシュ、ネパール、インドからエージェント経由の人材だ。従業員を確保したい工場がエージェントに募集を相談する。正規の手続きを経て契約してワーカーとして受け入れる。真面目に勤務して会社に貢献してくれる。表面的には何も問題はない。がしかしこれらの貧しい地域から出稼ぎにくる人びとはエージェントに仕事を紹介してもらうために高額の依頼金を支払う必要ある。場合によっては日本円で50万円近くの大金を支払わされるケースもあると聞いた。出稼ぎにいくのにそんなお金を持っている訳もなく借金して出稼ぎにでるのだ。そうして紹介された職場で借金を返そうと必死に働く、中にはパスポートを取り上げられて半強制的に働かれるケースもあるという。雇った側はそんな裏側の事情はエージェントから聞かされていない。問題なのはこの状況が違法では無いとうことだ。すべて契約に沿って出稼ぎに出ているだけなのだ。欧米企業の中ではこのような非人道的な従業員を雇用している相手とは取引をしないという会社が増えている。客先からあなたの会社はそんな非人道的なサプライヤに製造を委託しているのか?と後ろ指を指されるからだ。 Out of China の候補地として躍進しているマレーシアがこれからどうなるのか?懸念は残る・・・

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